六字釈の講義

築地本願寺の夕焼け

今回は 内藤知康和上から 善導大師の六字釈 の講義を頂きました

講義と言っても堅苦しいものではなく 法話のように楽しいお話しでした

ここに講義の内容までは書きませんが 善導大師が 六字釈 をなさった背景を 簡単に要約してみます

 

その昔 中国で 浄土教に対する反論が起こりました

南無阿弥陀仏と称えるだけで浄土に往けるわけがない!  普通に考えたら その通りです

世間でも 大学にしろ 企業にしろ 必死になって入るわけですから たいした努力もしないで 浄土に往ける道理がありません

そもそも 浄土に往きたいなんて思っていたでしょうか

ましてや あれやこれや自分の思い通りにしたいと欲をかき それが思い通りにならないと怒りの心を起こして腹を立て

逆に 上手く行っている人を見ては嫉妬する

そんな者が 口でナモアミダブツと称えた位で さとりの世界 お浄土に往くなど 都合の良すぎる話しなのです

こんな反論が起こった時 浄土教は一気に影をひそめてしまいました・・・

 国中の僧侶が 念仏では浄土に往けないと 当然のように考えているさなか

いやそれは違う お釈迦さまのお心にそぐわない!  このように善導大師が反論なさったわけです

南無阿弥陀仏の六字には

自分の努力で往くじゃなし  阿弥陀さまの おはたらきで浄土に往かせていただく

そういう意味があることを お経のお言葉を通して詳しく説き示されたのでした

浄土に往くために必要なものは ぜ〜んぶ南無阿弥陀仏の六字の中に 阿弥陀さまが準備して下さったのだ 

と そういって お釈迦さまの お心を明らかにされたのです

お正信偈にある 善導独明仏正意 善導独り仏の正意を明す ですね

 

自分の努力ではなく 阿弥陀さまのご苦労を聞かせていただくのが浄土真宗です